
Good Vibes Workstyle
Archives: 個性と役割
評価や比較から解放されて本当の自由を得る

これまで、3話にわたって「理想の自分」「有意義な時間」「自己実現」のすべてが、イリュージョンであることを疑ってきました。
基本的にはどれも、しあわせの条件を自分の外側に置き、「自他が競合する」ことを前提とした発想です。同時に、「人生は短い」という「恐れや不安」に基づく未来志向によって、「いまここ」にいることを難しくする考え方でもあります。
『グッドバイブス ご機嫌な仕事』では、これらを「バラバラ意識」と呼びました。
多くの場合、イリュージョンの反対側には現実があります。だとすれば、「バラバラ意識」の対極にある「ひとつ意識」の世界から眺めてみれば、「自分とはどういう存在か?」を知るための、別の方法が見つかるということになります。
そこで今日は、4話連続の完結編として、前話の最後に書いた、
「自他の利害が完全に一致した状態で、他の人たちとのつながりの中で、自分とはどういう存在かを教えてもらう旅」
を実践形式でたどってみようと思います。
自力で自己を実現するというイリュージョン

前々話と前話で、「理想の自分」と「有意義な時間」について書きました。実は、この2つのイリュージョンは同じ根っこから生まれています。それは、
「自己実現」
という発想です。
そこにはまず、「自分は何者かにならなくてはいけない!」というゴールのようなものがあります。と同時に、「それを自力で達成しなければならない!」というルールのようなものもつけ加えられています。
つまり「自己実現」とは、
「自他ともに価値ある存在と認められるよう、自力で自分を高めていけ!」
という、自分の人生に課したしあわせの条件といっていもいいでしょう。
もちろん、それを満たすべく努力を重ねることで、実際に充実した日々を送っている人も少なくないと思います。
でももし、このレールからドロップアウトしたような感覚をもちながら自信を失い、これから何をすればいいのかさえわからなくなったとしたらどうでしょう。
やはり、そのような人はいわゆる「負け組」として、息を潜めながら生きていくしかないのでしょうか。
少なくとも、私が見ているグッドバイブスの世界では、そんな馬鹿げた話はありえません。そこで今日は、この「自己実現」というイリュージョンを疑ってみようと思います。
「理想の自分になる」というイリュージョン

いつからそうなったのかはわかりませんが、私たちが強く信じて疑わない「人生の正しい過ごし方」のひとつに、
「ゴールや目標を決めて、その実現に向けて日夜、努力する」
というのがあります。
もちろん、私はその考え方を全面的に否定しようなどとは思いません。おそらく、私もいま、「これがやってみたいな」「この仕事がこう広がっていくといいな」などの願望をもっていると思います。
ただ、少なくとも私は、それが自分の期待する時期に、望むような形で実現しなかったとしても、その結果をもって「なりたい自分になれなかった」と失望することはありません。
なぜならば、何かを達成することは、私にとってただの、
「自分が行うこと」(Doing)
であり、けっして、
「自分とはこのような存在である」(Being)
を決めるものではないと確信しているからです。
「好きなこと」を仕事にできない本当の理由

拙著「グッドバイブス ご機嫌な仕事」の中で、自分の個性から導き出された役割、すなわち「しあわせな役割」を見つける方法を書きました。
その最初のステップとして挙げたのがこれです。
「自分が得意なこと、好きなことを仕事にしていいと自分自身に許す」
「本気を出す」と長時間労働はまったく違う

拙著「グッドバイブス ご機嫌な仕事」の中に「本気を出す」というキーワードが登場します。もちろん、このブログでも、過去に何度か「本気を出す」ことについて書いてきました。
◎ 本気でやるとその仕事のおもしろさがわかる
◎「好きな仕事」は探すだけでは見つからない
他人の価値を認めればあなたの個性も見える

「自分の個性って何?」と聞かれてあなたは即答できるでしょうか。おそらく、「何かつかみ所のない、漠然としたイメージしか浮かばない」という人のほうが多いのではないでしょうか。
自分の個性をしっかりと自覚するためには、私たちが行ってきた「自分や他人の個性との向き合い方」を変える必要があります。
いまその仕事をしていることは偶然ではない

いまの職場に強い不満をもっていたり、いまの仕事が自分に合っていないと感じる人にとっては、「とにかく目の前の仕事に本気モードで取り組め」などと言われても、ただ怒りが込み上げるだけだと思います。
けれども、もしあなたがいまその場所で働いていることが偶然ではなく、私たちの予想をはるかに超えた意味や可能性があるとしたらどうでしょう。