最初の一歩ではなくこのアクションがすべて

昨日、私も寄稿しているライフハック系有料ブログ「CHANGES」の第2回イベントが開催されました。おかげさまで、毎員御礼の大盛況。素晴らしい時間を過ごすことができました。

そんな中、懇親会などで次のような質問を複数いただきました。

「いまフルタイムで働きながら、家事もこなしています。そろそろ、以前からやりたかった、自分の好きを仕事にすることにチャレンジしたいのですが、なかなか最初の一歩が踏み出せません」

なぜできないのかをたずねてみると、「やる時間がない」「身体が疲れてしまっている」「好きなことが本当に仕事になるか不安」などが挙がりました。

そこで今日は「新しいことの始め方」について考えてみたいと思います。

やりたいと思っているのにいつまでも着手できないとき、最初にやるべきは次の3つの幻想を抱いていないかを確認することです。

① 「何かを奪われている」「何かの犠牲になっている」と感じていないか?

先の質問でいえば、フルタイムの仕事と家事を行うことによって、あなたの時間や体力が奪われているように感じていないか、その結果、自分が家族の犠牲になっているように感じていないかを自問してみます。

「たしかにそうかもしれない」と思ったら、ぜひ、バックナンバー「誰かに求められた瞬間に自分の役割を果たす」で書いた対処法を読んでください。

「何かを奪われている」「何かの犠牲になっている」と感じるだけで、私たちは膨大なエネルギーを失います。実は、仕事や家事自体ではなく、そのような思いが新しいことを始めるための気力や体力を消耗させているのです。

② 好きなことを仕事にするためには、万全の準備が必要だと思っていないか?

あなたが「やりたいこと」をすでにやっている人を見たときに、自分とその人のあいだには遙かな隔たりがあるように感じることでしょう。

あなたはその実力差を、最初のアウトプットを行う前に完全に埋めておかなければならないと考えていないでしょうか。

膨大な量の勉強やトレーニング、情報収集、英語でいうならTOEICで900点レベル、文章ならプロの執筆家のスキルが必要と思っていないかを確認してください。

③ 本当にそれは自分のやりたいこと、好きなことなのか?

もしそれが本当にあなたの大好きなことなら、どんな障害があったとしてもやらずにはいられないはずです。ぜひ一度、「本当に好きなのか? 本当にやりたいのか?」を自問してください。

「冷静になって考えてみると、そうではないかも」と思ったら、いつか「やっぱりやりたい!」という気持ちが再燃するまで、そのことについて考えるのをやめておきます。

さて、①も②もあなたの頭で作り出した幻想です。すべて手放したうえで、③の答えが「YES!」すなわち、「本当に好きなことだから、なんとしてもやりたい!」であったなら、

「そのためにいまこの瞬間にできるアクション」

をひとつだけ思い浮かべてください。

調べものをする、誰かに相談するなどでもかまいませんが、できれば、「何らかのアウトプットにつながるアクション」のほうがベターです。準備なしでいますぐできる行動をひとつだけ想起して、なるべく早くそれを実行してください。

同時に、

「いつそれが花を咲かせるかの期限をいっさい決めない」

でおきます。

ひとつのアクションが完了したら、次のアクションを考えてすぐに実行します。あとはこれを繰り返しながら、とにかく、世の中に何かをアウトプットできる状態を目指します。

品質や出来を気にする必要はありません。なぜならば、あなたは期限という概念を手放しているからです。焦らず、じっくりとアウトプットを重ねていけば、自然とクオリティーは上がっていきます。

「新しいことを始める」ためのもっとも重要なポイントは、

「自分を躊躇させるような幻想をすべて手放す」

ことと、これからやろうとする何かを未来の時間軸に沿って「最初の一歩」などと呼ぶのではなく、

「ひとつのアクションがすべて」

と捉えることにあるのです。

Photo by Satoshi Otsuka.