最高の一日を自分の意志で創造するメソッド

このブログでは過去に、いくつかの「グッドバイブスな一日の過ごし方」を紹介してきました。バックナンバーのこのあたりの記事がそれにあたります。

遊び感覚で一日中いい感じを貫いてみる
一日をいい感じで始めるための自分の整え方
何も知らない状態で一日を観察し続ける
いっさいの警戒を解いて一日を過ごしてみる

今日はこのシリーズにもうひとつ、「意志と選択」に特化したメソッドを加えてみようと思います。目指すのは「最高の一日を自分の意志で創造する」ことです。

例によって、目が覚めた瞬間に最初の選択を行います。起きてからあまり時間を置かずに、とにかく次のように宣言してください。

① 「今日は私の意志で、最高の一日を創造する!」

ベッドから出ると、さっそく今日やることや、気になっていることについて考え始めたくなりますが、その前に2つめの選択です。次のことを自分に約束します。

②「職場に着くまで、今日の予定や気がかりな仕事についていっさい考えない!」

とはいっても、すぐに「考えたい!」という誘惑が襲ってきます。仕事の準備と称して、頭の中で前もって整理しておきたいこともあるでしょう。そんなときは、自分自身にこう言い聞かせてください。

「いま仕事のことを考えたところで、何かが前に進むわけではない。問題もおそらくは解決しない。だから、職場に着くまでそれをすることに意味はない!」

まさに、「考えない!」というあなたの「意志」が試される場面です。ゲーム感覚で、どれだけ「意志」を貫けるか試してみてください。

この日の朝は、考える代わりに次のことを選択します。

③「自宅での仕度の時間、駅までの道のり、満員の電車やバスの中、職場までの道のりのすべてで、あらゆることを受け入れる!」

寒さや暑さなどの気温、雨風などの季候、眠さ、歩くときに感じる身体の怠さ、人混みや混雑、列に並ぶ退屈な待ち時間など、自分のまわりで起こるすべてを「受け入れる!」と決めます。

受け入れる感覚をもつのが難しいときは、「抵抗しない!」と思うことで、同じ効果が得られます。「こうであってほしいのに」という希望や期待を手放して、目の前で現実に起こることと、自分とを一体化すると捉えてもいいでしょう。

職場に着いたら、もう一度、朝イチの宣言を復唱します。

「今日は私の意志で、最高の一日を創造する!」

すでにやることが確定している場合はそれを行います。もし、あなたの「意志」で何から始めるかを選べるとしたら、「最高の一日のスタートにふさわしい仕事」をイメージして、「これだ!」と思ったものに着手してください。

⑤「最高の一日のスタートにふさわしい仕事から始める」

職場には上司や部下、同僚など数多くの人がいます。突然、意味不明な打ち合わせに呼ばれたり、不愉快なメールが飛んできたり、怒られたり、不機嫌さをぶつけられたりと、「最高の一日」を台無しにしかねない出来事が起こるでしょう。

そのたびに、次の二者択一を行います。


A:「意味づけや妄想をして、望ましくない感情を抱く」
B:「その出来事をいったん受け入れて、意味づけや妄想をせずに現実を見る」

ふだんの日なら、あなたは自分が被った被害の大きさによっては、Aを選ぶこともあるでしょう。ただし、今日だけは特別です。選択肢はBしかないと、強い「意志」をもって決心してください。

Bを選ぶことはそれほど難しくありません。まずは、この一言を心でつぶやきます。

「なるほど、そう来たか」

あとは、目の前で起こっている事柄に興味をもって、「この出来事を改善するために、自分は何をすればいいか?」を発想することに集中すれば、自然と「意味づけ」や「妄想」をしなくなります。

また、一日をとおして、あなたにはさまざまな依頼が来るはずです。職場で突然、「この仕事をやってほしい」と頼まれたり、朝や帰宅後に家族から「これを手伝ってほしい」とお願いされたりします。

あるいは、外を歩いていたら、見知らぬ人から道順を聞かれたり、地下鉄の階段で、重たそうなスーツケースを運ぶ外国人の旅行者に遭遇したりするかもしれません。こちらは、あなたへの「無言の依頼」と受け止めます。

ここでは次の選択を行います。


A:「依頼を断るか、面倒くさいと感じながら適当に流す」
B:「それは自分の役割だと受け入れて、頼まれたことを即座に本気でやる」

この答えはあなたの心に聞くようにします。基準はもちろん、「どちらを選ぶことが、最高の一日を創造することにつながるか?」だけです。

モラルや道徳観などはいっさい気にしなくて大丈夫です。どちらを選ぶにしても、自分が気持ちいいと思えなければ、最高の一日にはなりません。「どうしたい?」と自問して、あなたの心が出した答えに素直に従ってください。

ただし、いったんBを選ぶと決めたら、最後まで本気を貫かなくては意味がありません。ここでも強い「意志」を忘れずに、とことんまでやり抜いてください。

終業時間が来たら、本日最後の選択です。出勤時にやったことをもう一度、繰り返します。

⑧「自宅に到着して眠りに就くまで、今日、職場であったことや、明日の仕事について、いっさい考えない!」

とくに、帰りの電車は要注意です。⑥で「意味づけや妄想をしない」と決めたことが、ふたたび頭の中に蘇ってくることもあるでしょう。「ああ言えばよかった」「こう返しておけばよかった」などのフラッシュバックが起こるのを、「意志」の力でグッと阻止してください。

理由は先に書いたとおり、「そうすることに何のメリットもない」からです。

以上で、「意志と選択」を意識した一日は終わりです。帰宅しても、家族とのやりとりが残っていれば、そこまでをこのトライの一環と捉えて、油断せずにこれまでの選択を繰り返してください。

眠りに就く前に、「どうだい? 今日は最高の一日になったかい?」と自分に問いかけ、「まあまあ、わるくない一日だったかもね」と答えられれば大成功です。

「イマイチだったかなぁ」という感じであれば、どこで「意志」を発揮できなかったかを軽く思い出して、反省などいっさいせずに寝てしまいます。翌朝、リターンマッチをやりたい気分が残っていれば、新たな気持ちで挑み直してみてください。

完璧にできなくても、「なるほど、意志と選択によって、自分の見る世界は変わるのかもなぁ」と感じられるだけでも、得られるものはとてつもなく大きいと私は思います。

Photo by Satoshi Otsuka.