バラバラ意識へと誘う五つの自我のささやき

グッドバイブスは私たちを「ひとつ意識」に誘ってくれます。ではその反対に、私たちを「バラバラ意識」に留めようとするのは何でしょうか。このブログを読んでいる人なら、即座に「恐れや不安!」と答えてくれることでしょう(笑)。

たしかにそのとおりなのですが、「恐れや不安」は結果で、それをもたらす根源がいます。そう、私たちを「バラバラ意識」に留めようとするのは、

「自我のささやき」

です。

「自我」は、「全身の皮膚を境界線として、身体の内側だけが自分である」と捉えること、すなわち自分自身を、

「モノと同じように他人や世界から切り離された存在」

と認識することによって、私たちの中に生まれます。

モノである自分は、外的な要因ですぐに傷つき、いつかはこの世から消えてなくなる、もろくて儚い存在です。そのうえ、他人やこの世界から切り離されているので、自分しか信じられない危険きわまりない状況を生き抜こうとしています。

このように自分や世界を見たとき、私たちの中に現れるのが「自我」です。

さらに詳しく知りたい方は、バックナンバー「自分をもろくて儚い存在とみなす自我の正体」「つながりと広がりの意識で自我の力を弱める」などを読み返してみてください。

今日はこの「自我」が、私たちに何をささやきかけてくるかを見ていきます。これから挙げる言葉が頭に浮かんだら、あなたをグッドバイブスから引き離そうとする「自我の誘惑」と思って間違いありません。

① 「これは大変だぞ!」「これは難しいぞ!」

とにかく自我は失敗を恐れています。ただでさえ油断ならない世界に住んでいるのに、失敗などした日にはもう生きてはいけないと、猛烈な危機感を感じているからです。

そこで、「絶対にしくじらない必勝法」を得るために、必死に未来を予測しようとします。ところが、どれだけ考え抜いても、もろくて儚い自分が過酷な世界にいるという厳しい条件で、下手を打たない方法など見つかるはずがありません。

そこで自我が出してくるのが、「大変だ」「難しい」という答えなのです。

そして多くの場合、私たちは「大変だ」「難しい」と感じたことにはチャレンジしません。おもしろいことに、私たちを動けない状態にすることで、自我は大いに満足します。なぜならば、危険を避けるという目的を完璧に達成できたからです。

何のことはない、究極の「絶対にしくじらない必勝法」とはつまり、「何もしないこと」だったというわけです。

「大変だ」「難しい」は、自我がもっとも得意とする「意味づけ」です。ほんのわずかでも着手してみれば、予想よりも現実のほうがはるかに簡単であることがわかります。このささやきを聞いたら、無条件で受け流す習慣をつけてください。

この仲間にはほかにも、「それは恐いなぁ」「面倒だなぁ」などがあります。

② 「もっと効率のいいやり方があるんじゃないの?」

この言葉を発したときに、いっさいの「恐れや不安」を抱いていなければ、あなたは純粋に仕事の効率のことだけを考えています。ぜひ、そのままよりよいやり方を考案してください。

反対に、心の中に多くのざわつきを感じながら同じことを思ったとしたら、ほぼ間違いなくそれは「自我のささやき」です。

「いつかこの世から消えてなくなる」ことを何よりも恐れている自我は、とにかくまどろっこしいことが大嫌いです。「コツコツやる」などと聞いたら、猛烈に反発してきます。

自我がほしいのはいつでも「手っ取り早く得られるいい結果」であって、そこにいたるプロセスなど全消去できればいいと願っているのです。

イライラしながら、1秒でも早く終わらせる方法を模索したくなったら要注意です。そのような誘惑はすべてはねのけて、あえて「ゆっくりとていねいに」を心がけてください。

③ 「もう時間がない!」

自我はとても嫉妬深い独裁者です。あなたをこのまま支配し続けることに異常に執着しています。

そんな自我にとっての天敵はもちろんグッドバイブスです。もし、あなたが「平安な心」を携えて「ひとつ意識」に戻ったら、自我はその瞬間に消滅してしまうからです。

そのような事態だけはなんとしても回避するために、自我はある手段に打って出ます。それは、あなたを確実にグッドバイブスから遠ざけられる、

「絶対に、いまここにはいさせない!」

という巧妙な戦略です。

しかも自我は、たったひと言のささやきでそれが実現することを知っています。「ほら、急がないともう時間がないぞ!」これだけで私たちはイチコロなのです。

ここで、「人生の終焉を恐れることが行動の原点」と考える自我の誘いに乗ってはいけません。記憶をたどれば、事実は自我の主張と真逆だったとすぐに思い出せるはずです。

あなたはこれまでの人生で時間を失ったことがあったでしょうか?

「生きているあいだ、時間がなくなることなどない!」

いうまでもなく、こちらが真実です。

無駄にしようと、浪費しようと、時間が消滅することはありません。「いま」そしてまた「いま」、あなたの前には「いま」という時間があり続けています。焦ったり急いだりする必要はどこにもないのです。

④ 「休んでいる暇はないぞ!」

自我の考えることはいつでも矛盾だらけです。あれほど自分を弱くてもろい存在とみなしていながら、そんな自分を大切にしようとは思っていません。

それどころか、いったん「これがほしい!」「これを実現したい!」などの欲を抱いた瞬間に、壊れるまであなたを酷使し始めます。しかも、身体を自分自身と思い込んでいるので、やる気さえあればどこまでも無理がきくと信じながらです。

ぜひ、この「自我のささやき」が、病気や体調不良をもたらす要因のひとつであることを忘れないでください。

「ひとつ意識」においては、私たちの本体は身体ではなく「意識」です。こちらの世界では、身体は「意識」が他の人とコミュニケーションするための、人生でひとつしか得られない大切な道具です。

「意識」は、けっしてその貴重な道具を壊れるまで酷使しません。いつでも最高のパフォーマンスが発揮できるよう丹念にメインテナンスし、食事や休息も十分に与えます。

実はこのささやき、とてもわかりやすいシグナルとして活用することができます。自我が「休んでいる暇はないぞ!」と脅してきたら、「お、そうか」と切り返して、即座に休めばいいのです。

これとよく似たささやきに、「この連休にはこれと、これと、あれをやるぞ!」というのがあります。たいてい、そう決めて目覚めた休みの初日は、具合がわるくなるなどして、何もやりたくなくなっています。

自我はあなたに罪悪感をもたせようとしますが、ここでその誘惑に負けてはいけません。予定していたいっさいを手放して、ゆっくりと休息してください。その翌日、二日めの休日には、本当にやりたいことが閃くはずです。

⑤ 「何で自分がやらなきゃならないの?」

最後のささやきは、私たちに「与える」という最高の報酬が得られる行動をさせないために、自我が繰り出してくる妨害です。その理由は③の「いまここ」とまったく同じです。

自分以外の誰かに、何かを与えた瞬間に私たちは「ひとつ意識」に移行し、それと同時に自我は消滅します。この事態を避けるために自我は、私たちの心に次のような脅迫観念を芽生えさせます。

「これでは、私が誰かの犠牲になる!」
「これでは、私は何かを失う!」

どちらも、自我が私たちに「恐れや不安」を抱かせようとするときの常套手段である「妄想」です。少し冷静になって、「本当に自分は犠牲になっているか?」「本当に何かを失っているか?」と自問してみれば、すぐに答えは判明します。

「与える」ことがそのような結果をもたらすことはありえません。

「依頼に答えることこそが自分の役割」

と捉えられれば、あなたは「与えた瞬間に与えられる」という、おそらく人生でもっとも価値のある報酬を手にすることができるのです。

「犠牲になっている感」と「失っている感」は、自動的に「自我のささやき」と決めつけて間違いありません。それらを感じたら「与える」機会だと思って、依頼されたことを全力で実行してみてください。「全力で」がポイントです。

以上が、私もつねに警戒している「自我のささやき」ベスト5です。実際にはどれも恐るるに足らずです。その反対を実行しさえすれば、最後のあがきでしばらく抵抗したあとに、自我はいなくなります。

そのあとに残るのは、もちろんグッドバイブス、そして「平安な心」です。


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