回復しない疲れをグッドバイブスで癒す方法

週の終わりの金曜日ともなると、「だいぶ疲れがたまったなぁ」と感じている人も少なくないでしょう。ときに私たちは、休んだり眠ったりしてもあまり回復せずに、慢性的に疲労を引きずってしまうことがあります。

そこで今日は、グッドバイブスの視点から見た「だるい」「しんどい」の対処法を書いてみようと思います。

ただし、本当に具合がわるいと思ったら、まずは医師の診断を受けてください。この話は「病気が治る」といった類いのものではありません。あくまで、身体に異常はないのになぜかすぐに疲れてしまう場合の、「うまくいけば元気を出せる方法」程度のものです。

まずは、「どんなときに私たちは疲れるのか?」について私の考えを明らかにしておきましょう。私たち人間の構造は複雑ですが、なるべくシンプルに捉えておくほうが対策も思いつきやすくなります。

そこで私は、

「エネルギーを消耗したときに疲れる」

と考えるようにしています。

では、何をすると私たちはエネルギーを消耗するのでしょうか。思い当たる要因は次の2つしかありません。

① 身体を使って動いたとき
② 頭を使って考えたとき

①は説明するまでもなく、身体を動かすことです。こちらは、あまり心配する必要はありません。食事や睡眠によって使った分のエネルギーは毎回、充填されます。

②も身体の一部である脳を使うという意味では①と同じと捉えていいはずです。簡単な栄養補給や仮眠などでもそれなりに回復します。

ただし、私たちが見逃してしまいがちな、

「無意識のうちにやってしまう妄想」

には要注意です。

仕事などで自発的に頭を使うときは、「考えている」ことをはっきりと自覚しているため、「ああ、なんか頭が回らなくなってきた」などの症状によって、エネルギーの消耗を感じることができます。

けれども、たとえば帰宅途中や自宅で、その日にあった嫌な出来事や、同僚に言われたムカつくひと言、明日の仕事の準備が進んでいないこと、将来の経済的な不安などについて「妄想」しているとき、私たちは自分が頭を使い続けているとは思っていません。

ところが、実際にはこの間、会社で最高レベルの困難な課題の解決法を思案しているのと同じくらい、膨大なエネルギーを消費しまくっているのです。

しかも多くの場合、「妄想」が始まるのは、夕食後にソファーでくつろぐ時間であったり、熱い風呂に入ってリラックスする時間であったり、ベッドに入った直後であったりします。

これらすべてに共通するのが、

「あなたが何もしていないとき」

という重大な事実に注目してください。「何もしていないとき」とはそもそも、あなたが自分を回復するために使える貴重な時間だったはずです。

この、

「本来、休息すべき時間に、大量のエネルギーを放出してしまっている」

ことこそが、あなたを慢性的に疲れさせてしまう最大の原因だと私は考えます。

その解決法については、「不安で何も手につかない状態からの脱出方法」や「悩んで動けなくなる前に妄想に対処する」など、このブログでも繰り返し書いてきましたが、残念ながら「こうすればかならず妄想しなくなる!」などという必勝法はありません。

やはり、地道にやるしかないのです。そのひとつめのステップが、

「何もしていない時間に、自分が妄想していないかを見張る」

ことです。けっして妄想をするなとは言っていません。ただ「いまエネルギーを放出していないか」を見張るだけで十分です。

自分を見張っていて、妄想していることに気づけたら次のステップです。まず、「何もしていないとき」にあれこれと考えたとしても、問題はまったく解決しないという事実を認めてください。

「妄想したいかどうか?」を自問するわけではありません。どれだけ「もっとこのよくないことについて考えていたい!」と思ったとしても、そこには何のメリットもないことを完全に受け入れるのです。

最後のステップは、次のA、Bからひとつを選択することです。どちらを選んでも罪悪感を抱く必要はありません。あなたがすでに疲れているとすれば、それよりも状況が悪化することはないからです。

A:疲れがとれなくてもいいので、このまま妄想を続けよう!
B:このままだとエネルギーを失い続けるので、妄想をやめよう!

「いやいや、元気なときならともかく、いままさに疲れているのだから、Bを選ぶなんてできないよ」と思うかもしれません。その感覚までたどり着きさえすれば、もう脱出口は目の前です(笑)。

あなたは、いま「妄想を手放す」ことが大変だと感じています。疲れているときにできるような代物ではないとも感じています。つまり、

「妄想を手放すにはエネルギーと何らかのパワーが必要だ!」

と信じているということです。

では、ここまでを整理してみましょう。

頭を使うとエネルギーを消費します。「妄想」はその最たるものです。そして、あなたはその大放出を休息の時間に行っています。だとしたら、「妄想をやめる」とは、単に頭を休めてエネルギーの消耗を止めるということではないでしょうか。

どうでしょう。「いままさに疲れているのだから、Bを選ぶなんてできないよ」という主張には、大きな矛盾があることに気づかないでしょうか。

「エネルギーの消耗を止めるのに、また別のエネルギーが必要?」
「疲れていると、休むことが難しい?」

「できない!」と感じるのは、ただあなたがそれに慣れていないからです。とにかく、「できる!」と自分を信頼するしかありません。その根拠はこれで十分だと思います。

ソファーの上で全力疾走する自分、風呂の中で遠泳をする自分、ベッドに入ってもフルマラソンを続ける自分。そんなイメージをもちながら、

「もうこの頭を休ませてあげよう」

と、自分自身に最大の愛を注ぎながら、いたわり、ねぎらってあげてください。

最後に、ちょっとしたコツをお伝えしましょう。とくに、ベッドに入っても妄想が止まらないときに効果的です。

あなたが望ましくないことについて考えているときは、決まって身体のどこかに異変が起きているはずです。私はたいてい、みぞおちのあたりにズシンとした重さを感じます。

胃が痛い、腸が痛い、頭が痛い、肩が凝る、まぶたが引きつるなど、異変が起きたいる箇所を見つけたら、静かに横になってその部分に手を当てます。すぐに患部がポカポカと温まってくるはずです。

そのまま手に全神経を集中させて、「この異変ポイントが癒されますように!」と一心に念じます。少しでも症状が和らいだと感じたら、

「妄想と、身体の異変が分かれていく感じ」

をイメージしてください。

もちろん、身体がおかしくなったのは妄想のせいです。けれども、その両者を切り離して、ただ身体の異変だけを癒すような感覚をもつのです。うまくいけば、そのまま深い眠りにつけるはずです。

もうひとつだけ、疲れはワーカホリックが原因というあなたには、この記事「休むことに恐れや不安を感じていないか」がおすすめです。

ぜひ、この週末にトライして、平安な休日をお過ごしください!

Photo by Satoshi Otsuka.