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悩んで動けなくなる前に「妄想」に対処する

このブログでも繰り返し書いてきたように、私たちが抱える悩みのほとんどは、頭の中で行う空想や妄想によって生まれます。もちろん中には、明らかにひどい現実に直面していように感じるケースもあるにはあります。

けれども、その出来事自体をどう捉えているか、それに対してどのような解決の可能性を見い出せているかなどを冷静に吟味してみると、けっして自分が信じているほど確固たる「現実」ではないことがわかります。

最大の問題は、はたしていまの悩みの元が単なる思い込みなのか、それとも紛れもない現実なのかを、自分ひとりで判別するのが難しいという点にあります。

そこで今日は、「この手の内容で心がザワついたら要注意!」という、ありがちな妄想の例を見ていきたいと思います。ぜひ、悩みそうになったときに「これは現実ではない」と判断する参考にしてください。

まずは、おそらく妄想界の王様ともいえるこれからです。

① 自分は何かを失うのではないか?

不思議なことに、地位や名声、お金など、いろいろなものを得ている人ほど抱きがちな妄想です。平均をはるかに上まわる年収があるのに、暇さえあれば「いつか落ちぶれて路頭に迷うんじゃないか?」と考えてしまう人は少なくないようです。

健康面での不安もこの仲間です。こちらも意外と若い人に限って「病気になるんじゃないか?」「歳をとると元気に働けなくなるんじゃないか」を心配する傾向が強いように思います。

もうひとつ、経営者や管理職がやりがちな「この優秀な人が会社を辞めてしまうんじゃないか?」というのがあります。「恋人や結婚相手が愛想を尽かして自分の元を離れてしまうんじゃないか?」も同じ種類の妄想です。

どれも望ましくない未来の予測で、払拭するのが難しいジャンルではありますが、ここは単純に私たちのある特性を認識して、よくあるパターンとして無条件に手放す習慣をつけるのがおすすめです。

その特性とは、

「大切と思う何かを手に入れると、かならず失うことを妄想をする」

という、わかってしまえば可愛い癖のようなものです。ほぼ100パーセント根拠はないので、軽くいなしておきましょう。

離職や離別など、人に対しての不安を抱いたら、相手と真剣に対話して本当のことを聞き出せばいいだけです。想像のままにせず、つねに現実を確かめにいく努力をすることが、余計な妄想を抱かないための最大の秘訣です。

続いては、やはり妄想ランキングの上位を独占するこの2つです。

② 自分はよく思われていないのではないか?
③ 自分のした仕事が評価されていないのではないか?

どちらも本当のところを確かめにくい、とてもやっかいなジャンルです。

以前は私もよく②の妄想を抱いていました。あるとき相手に「もしかして、私のことが嫌いですか?」とストレートに質問したことがあります。答えはなんと、「はい、嫌いです」でした(笑)。

さぞショックを受けたと思うでしょうが、予想に反してそのとき私は、

「嫌われているんじゃないかと想像しているよりも、はっきり嫌いと言われたほうが数倍ラク」

という不思議な心理を実感しました。あきらめがついたというか、それ以上このことについて妄想しなくてよくなったことに、開放感すら覚えたほどです。

また、私は若いころから音楽制作、雑誌の編集、書籍やブログの執筆など、コンテンツを発信する立場にいたので、宿命のように③の妄想を抱き続けていました。

そして、自分の仕事に対する評価を妄想すると例外なく迷いが生じて、間違いなく「キレ」を失ってしまいます。

そもそも、評価は人によって千差万別、賛否両論です。つまり②も③も、

「本当のことは確かめようがない」

のです。

このことがわかってからは、百害あって一利なしの妄想はできるだけ手放し、いい評価にも浮かれず、わるい評価にも落ち込まず、ひたすら淡々とやり続けることだけを心がけています。それ以外に、解決方法などどこにもないからです。

最後はややトリッキーなこれです。

④ この問題に対してもう打つ手はないんじゃないか?

「ああ、もうどんずまりで、八方ふさがりだ」と言いたくなるあの感じです。ここではまず、変えることのできない過去の後悔と、この状況によってもたらされるであろう悲惨な未来についての妄想が沸き起こっているはずです。

そこは百歩譲ってそのままにしておいていいでしょう。ただし、

「打つ手がないという考えは妄想」

すなわち「意味づけ」であることだけは認めてください。この窮地から脱出するためには、あなたの中にある、

「そうでない可能性があるにも関わらず、そうであると結論づけていること」

に気づく以外に手はありません。

いっさいの「正しいと信じていること」を手放して、その外にある可能性に目を向けるようにします。言い換えるならば、

「自分の中で禁じ手としているものはないか?」

を検討するということです。

誰かに助けを求める、これだけは譲れないと思っていた条件を取り下げる、期限を大幅にうしろに倒してみる、いったんは迷惑をかけてしまうことを受け入れる、失いたくないものを捨てる、ルールのほうを変える。

ガッチリと固定されていたひとつのピースを流動的にするだけで、それまで見えなかった選択肢が姿を現してくれるものです。

負の妄想をすればするほど、私たちは膨大なエネルギーを消費します。だから、私たちは悩むと動けなくなるのです。

心にザワつきの前兆を感じたら、妄想を肥大化させる前に、現実を確かめにいくか、正しさを手放していまできることをやるか、あるいは妄想そのものを手放す努力をするかを、気力が残っているうちに選択してください。

今話で書いたようなパターンと自分自身の思い癖さえわかれば、それほど無理なく、半自動的に「あ、来たな!」と瞬時に対処できるようになります。

Photo by Satoshi Otsuka.

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