平安を保つグッドバイブス基本の型〜準備編

4月6日から、4話連続でこの時期に役立ててほしい話を書いています。本サイトのサイドバーにある「カテゴリー」から「新型コロナウイルスをグッドバイブスで乗り切る」を選ぶと、このシリーズの記事が一覧できます。

さまざまな場面で「しんどいなぁ」と感じたときは、ぜひ読んでみてください。

今日と明日は、

・不安で仕事が手につかない
・なぜか不機嫌で家族に辛く当たってしまう
・理由はよくわからないけど、何かをする気力が湧かない

そんなときの対処法として、グッドバイブスの基本の型を復習しようと思います。まずは準備編からいきましょう。

◎ 平安な自分と悩んでいる自分のどちらが正常か?

グッドバイブスとは「平安な心」でいるためのメソッドです。身体にたとえるなら、それは「健康な肉体」を保つようなものです。

ここで重要なのは、「正常な自分」とはどのような状態かをしっかりと確認しておくことです。身体の場合はもちろん「健康」が正常で、病気の自分は異常です。

では、心はどうでしょう。「平安な心」が正常で、悩みを抱えている自分は異常と見ているでしょうか。

もしここで、「いや、少しくらい悩んでいるのがあたりまえ」と思っているとしたら、実践編の型はうまく機能しません。なぜならばそれは、「私は病気でいるのがあたりまえ」と言っているのと同じだからです。

自分の心をあなたが住んでいる「部屋」に見立ててください。正常な部屋とは、ピカピカに磨かれて、ホコリひとつ落ちていない清潔な状態です。もし来客が小さな紙くずを床に落としたとしたら、あなたは間髪入れずにそれを取り除こうとするでしょう。

一方の異常な部屋は、もう何十年も掃除していない異臭の漂うゴミ屋敷です。こちらに住んでいるあなたは、遊びに来た友人がコンビニの袋を放置しても、食べかすをこぼしても、汚れたことすら気づかずに、そのままにしてしまうはずです。

グッドバイブスのメソッドを実行するタイミングは、ほんのわずかでも心にザラつきが生じたその瞬間です。ここで「あ、何かおかしいぞ!」と自分の異変に気づくためには、ゴミ屋敷ではなく、ピカピカの部屋に住んでいなくてはならいなのです。

まずは次の図式をしっかりと頭に入れておいてください。

「平安な心」「健康な肉体」=正常
「悩んでいる状態」「病気の状態」=異常

そのうえで、

「私はしあわせであるのがあたりまえの存在である!」

と宣言します。

「どれだけそう言い聞かせても、なぜかそれを認めたくない自分がいる」と感じたら、あなたの心は大掃除を必要としています。

◎ 誰かにしてしまったひどい行動を赦す

「平安な心」や「しあわせな自分」が正常と思えないとしたら、あなたはあるものによって、「私にはそのような価値はない」と信じ込まされています。その「あるもの」とは、

「自分に対して抱く罪悪感」

にほかなりません。

自分の心を汚しているゴミの正体が「罪悪感」だと考えてください。つまり、あなたの心をピカピカの部屋に戻すためには、あらゆる罪悪感を捨て去ればいいのです。

まずは、30分から1時間ほど、ひとりでいられる時間を確保してください。家族と一緒に自宅で待機するいま、そのような状態を作るのが難しければ、風呂や就寝前のベッドでもかまいません。

静かに目を閉じたら最初に、

「自分が誰かにしてしまったひどい仕打ちや、後悔している行動」

を思い出してください。

よくないとわかっていたのに相手を傷つけてしまったこと、親しい誰かが辛い状態にあったときに「もう少し親身になって助けてあげられたんじゃないか」と悔やんでいることなどを、記憶の中からひとつずつピックアップします。

頭に過去の映像が浮かんだら、

「その出来事はいまでも修正できるか?」

と自問してください。

たとえば、傷つけた相手や、申し訳ないと感じている肉親といまでも連絡が取れるのなら、「あのときは本当にすまなかった」と電話やメールで伝えることが、修正になるかもしれません。

何かひとつでも「これならできる」と思えるものが浮かんだら、できるだけ早いタイミングで実行してください。

もし、先の問いの答えが「どう考えてもいまできることは何もない」だったとしたら、

「もうこの件について自分を責めるのはやめる!」

と決意して、その場で罪悪感を手放します。

手放すことに強い抵抗を感じて、「そう簡単にはいかない!」と思ったら、

「すべての過去に起こった出来事は、いまここには存在しない」

という事実があなたを助けてくれます。

過去という時間はイリュージョンです。そこであなたが行ったことも、いまではすっかり幻影に変わっています。あなたの頭の中にしか存在しないものを、自分の意志で手放せないはずがありません。

すでに修正する方法がない事柄に関しては、これ以上、思い悩むことをあきらめて、キッパリと罪悪感を手放してください。

◎ ふがいない自分、ダメな自分、不足している自分を赦す

自分が誰かにやってしまったことへの罪悪感の掃除が終わったら、今度は次のことを自問してください。

「いま、何かができていない、何かが不足している、何かをやってこなかったという理由で、自分を責めている事柄がないか?」

仕事に必要な能力をまだ身につけられていない、何かを始めても途中で投げ出してしまう、人と話すときにやたらと緊張してしまうなど、いまの自分にダメ出しをしたくなる要因を詳細に挙げてみます。

学生のころにもっと勉強しておけばよかった、仕事に就いたばかりのときにもっと努力しておけばよかった、あのときこちらを選択しておけばよかったなどの後悔もこれに含まれるでしょう。

これらも、思い出すたびに自分を責めたくなるという意味で、立派な罪悪感です。

まずは、過去にやらなかったことに対する自責の念から手放しましょう。こちらはすでに書いたように、いまとなってはすべてイリュージョンです。考えても仕方ないとわかれば、あなたの意志で消し去れます。

現在の自分に対して抱いている不足感は、

「その思いは、誰かと比べることによって生じている」

という事実を認識することで手放せるようになります。

自分を責める代わりに、あなたが自分の欠点とみなしている性格や特性の、真反対に隠れている長所に目を向けてください。飽きっぽい人は新しいことが好きです。人と話すときに緊張する人は、誰よりも繊細な感受性をもっています。

けれども、あなたのまわりにいる「継続は力なり」を地でいく人や、初対面の相手とも平気で仲良くなれる人を見ると、そんな自分の個性のことなどすっかり忘れて、

「ああ、どうして私にはこの能力がないんだろう」

と落ち込んでしまうのです。

冷静に考えればわかるはずです。それはまるで、魚を見て泳げない自分にがっかりする猫、あるいは猫を見て地上を走り回れない自分にダメ出しする魚と同じではないでしょうか。

ぜひ、仕事においてもプライベートにおいても、

「私たちはけっしてひとりで生きているわけではない」

という、とても重大な事実を思い出してください。

あなたに足りない何かはあなた以外の人が補い、他の人ができない役割をあなたが担うことで、家族や組織は機能します。新しいことにチャレンジするのが好きなあなたと、持久力のある別の誰かがペアを組めば、そこに最強のチームが誕生するということです。

このように、自分の中にある長短や正負の両方を認めて初めて、あなたは自分の本当の役割を発見し、最大の能力を開花できるようになります。

もしいまの自分に、ふがいない、ダメだ、不足しているなどの烙印を押しているとしたら、まさにその不当な評価こそが、あなたの真の個性を封印しているのです。

このことを根拠として、いままさに自分の足りなさに抱いているすべての罪悪感を手放してください。

もしかしたら、挙げなければならない項目が多すぎて、一回の取り組みでは終わらないかもしれません。ぜひ、なんとなくでも、

「私はしあわせであるのがあたりまえの存在である!」

と思えるまで、時間をとって続けてみてください。

「この罪悪感だけはどうしても手放せない」という強固なものがあれば、しばらくそのままにしておいてもかまいません。数日後、数か月後に何度か再チャレンジすれば、いつかかならず消せる日はきます。

以上で、グッドバイブス基本の型の準備編は完了です。「平安な心が正常である!」という大前提のもと、明日はもっともシンプルな実践方法にトライしましょう。

Photo by Satoshi Otsuka.