組織や部署、グループ、家族など、2人以上のチームで何かの問題が起こったとします。ひとことで問題といってもさまざまですが、ここでは、メンバー同士の仲がわるい、信頼に欠ける、うまくコミュニケーションがとれない、活気がなくて士気も上がらないなど、チーム全体が「よくない雰囲気」に陥っている状況を想定しましょう。
おそらく、「このままではまずい」と感じたリーダーは、親睦を深めるイベントを企画したり個人面談をしたりと、すでに何らかの対策を講じているはずです。にも関わらず、チームのバイブスは一向に上がる気配すら見せません。
今日はそんなチームを目の当たりにしたとき、「あなたにできること」について書いてみようと思います。
まず、「なぜあなたのチームは負の膠着状態に陥ってしまったのか?」を理解することが重要です。
もちろん、メンバーをひとりずつ取材して、何十ページにも及ぶレポートを作成するような方法は有効ではありません。それぞれの言い分や事情を知ればしるほど、解決策は複雑さを増していくからです。
ここでは、調査も分析も必要ありません。問題の原因はいたってシンプルです。ただ、次のように捉えればいいだけです。
「いま、自分も含めたこのチームの全員が、何らかの恐れや不安を抱えている」
「何かが恐い」「何かが心配」と感じるとき、私たちは真っ先に自分の身を守ることを考えます。そして多くの場合、私たちが講じる防御の手段は次の2つのいずれかです。
A:自分に恐れや不安をもたらしていると感じる人を攻撃する。
B:自分はこの問題の当事者ではないと逃げる。
当然ですが、Aの標的となった人は、その攻撃から自分を守るために同じ攻撃という手段で応戦します。
ぜひ、このような状態にあるチームを俯瞰してみてください。そこにいるのは誰かを攻撃する人と、その攻撃を受けて攻撃を返す人、そしてその様子を遠くから眺めている人だけです。
これが、バイブス下がりっぱなしで負の膠着状態にあるチームの真の姿ということです。
古い話で恐縮ですが、子どものころ私は「15パズル」というおもちゃに夢中になっていました。昭和40年くらいの話なので、若い人は見たことも聞いたこともないかもしれません。
縦4列、横4列、計16枚のタイルが入る正方形のボードに1枚を取り除いた15枚を並べ、ひとつの空きマスにタイルをスライドさせながら、1から15までの番号順に配置するというものです。
「チームの全員が恐れや不安を抱えている」状態とは、本来はタイルをスライドさせるための空きマスになぜか16枚目のタイルが入っていて、順番を変えることができなくなった「15パズル」のようなものです。
この状況を打破して、チームを「いい感じ」に戻すためには、どこかに空きマスを作るしかありません。では、どうやってそれを実現すればいいのでしょうか。
ここであなたの出番です。ぜひ、次のことにトライしてみてください。
「あなたがチームで最初の、恐れや不安を手放す人になる」
あなた自身が、膠着して動かせなくなった「15パズル」の空きマスになるということです。
その具体的な方法は、拙著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』やこのブログで書いてきたように、あらゆる「恐れや不安」が妄想であることを受け入れ、頭の中でそれを創り出すことをやめるだけです。
これによってあなたは、先の俯瞰で見たチームの中で唯一の防御をしない人、すなわち「攻撃もせず、傍観もしない人」に変わります。そして、そんなあなたは、チームの雰囲気を好転させる重要な役割を担えるようになります。
それは、
「他のメンバーの恐れや不安を取り除く」
という役割です。
もちろん、チーム全員に対してそれを行う必要はありません。あなたが「この人ならできるかもしれない」と感じた1人か2人の「恐れや不安」を和らげるだけで十分です。
なぜならば、それによって空きマスがさらに1つか2つ増えることになるからです。16枚のタイルがびっしりと詰まって誰ひとり動けなかった状態からすれば、チームの状況が改善に向かっていることは明らかです。
うまくいけば、あなたが「恐れや不安」を和らげたメンバーが、また別の人に同じことをしてくれるかもしれません。そうして3つ、4つ、5つとさらに空きマスが増えることによって、チームは徐々に「いい感じ」を取り戻していくでしょう。
ポイントはただひとつ。あなたが最初にグッドバイブスを携える人になるだけです。もちろん、そんなあなただけが損をするなどということはありません。チームがいい方向に変わっていく様子にあなた自身もかならず癒されるはずです。
まずは家族や友人などの気の置けないチームで腕試しをして、うまくいったら、ぜひ職場でもこの「最初の空きマスチャレンジ」にトライしてみてください。
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