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知っているを手放すと最良の判断に導かれる

「自分は何でも知っている」という前提を手放すと、私たちは最良の判断を行えるようになります。

その理由は2つあります。ひとつは「知っている」の中身が、自分が過去に経験したことか、実際には経験していない伝聞かのどちらかだからです。

このブログで繰り返し書いてきたように、過去の情報が現在の状況にピタッと当てはまるかどうかは極めて不確かです。そればかりか、もしそれが、「こうしたから失敗した」といった苦い経験なら、再び「こうした」と同じことをやろうとは思わないはずです。

けれども現実には、以前にうまくいかなかった「こうした」こそが、いままさにあなたがトライすべき最善の選択であることは少なくありません。過去に基づく「何でも知っている」には多くの落とし穴があるということです。

「経験していない伝聞」はあなたの中で「常識」と同じような意味をもっているはずです。「こういうときはこうするのが定石」「こうしないのはおかしい」など、書籍やセミナーなどで得た数々の未実践の知識です。こちらが過去の情報以上に機能しないことはいうまでもありません。

ふたつめの理由は、「知っている」という前提が「だから自分の判断は正しい」という思い込みに直結するからです。実際には、私たちが自分の都合だけで行う判断には多くの「ノイズ」が混ざっています。

それはときに、必要以上の安全を求めるリスクヘッジであったり、私利私欲であったり、自己顕示欲であったり、勝ちたい、特別でありたいという思いであったりします。もちろん、このような「ノイズ」は、私たちの「ありのままを見る目」を曇らせます。

そこで何かを判断する場面を迎えたら、まずこう宣言してみてください。

「自分はここで決断するために必要なものを何も知らない!」

もちろん、このままでは何も決められずにただ時間が過ぎ去っていくだけです。そこで、「自分の知っていること」を頼りにする代わりに、できるだけ心を静めて「恐れや不安」を手放し、あなたを取り囲む世界に向かってこうたずねます。

「この世界とひとつである私はどこへ向かうべきか?」

このたったひとつの問いによって、これまで能動的に自力だけで行ってきたあらゆる「判断」が、

「徹底的に受け身な行為」

に変わります。

もちろん、誰かに相談して決めなさい、他人の意見を尊重して決めなさいといった類いの消極的な話ではありません。

そうではなく、先に書いたような理由で曇った目を頼りにする前に、あなたと「ひとつ」であるまわりの人々や世界が、自分をどこに連れて行こうとしているのかを「感性」で見定めるということです。

拙著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』で「意味づけを手放す方法」を書きました。このメソッドでもっとも重要なのは、相手を凝視しながら興味をもって本当の意味を探す最後のステップです。

おそらく実際の場面では、相手の話を「聞くこと」がメインになるでしょう。そこで何かが判明したらようやく「この人に投げかける最善の言葉」が決まります。まさに、「徹底的に受け身な行為」であるわけです。

あるいは、「何でも知っている自分」が自分の将来によかれと判断して、予定をすべて埋めてしまったとしたらどうでしょう。もし、あなたの何かに期待して、一緒に仕事をしたいと思う人が現れても、その依頼を受ける「余白」はなくなってしまいます。

大学受験、就職活動、入社後に自分が就く部署など、あらゆる選択の場面で私たちはそれを「能動的に自力で勝ち取るもの」だと思い込んでいます。けれども究極的には、どんなときでも「あちらに選ばれている」側面があることを見落とさないことです。

「ひと呼吸おいて受け身の状態を保ち、この世界の重力のようなものを感じて余計なことをせずに待つ」

重力にはたとえば、あなたに興味をもつ人からの誘いや、あなたの中に沸き上がる思いも含まれます。それらを感じてみるのです。

これこそが、最良の判断に「導かれる」姿勢だと私は考えます。

Photo by Satoshi Otsuka.

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