一昨日の記事、「絶対に不変な自分の価値を自信の源泉にする」の続きが、昨日の「防御を手放すまで攻撃のある世界は消えない」、そして今日のこの記事がその続きです。時間があったら、ぜひ、3作続けて読んでみてください。
先日、テニスの大坂なおみ選手が全米に続いて全豪オープンを制しました。世界ランキングは驚きの1位。この快挙に、多くの人々が感動したことと思います。
さまざまな分野で活躍する人を目撃するとき、私たちは彼らのことを「自分とはあらゆる面で異なる特別な才能をもつ人」と思っています。「選ばれた人」「特殊な人」と感じているかもしれません。
ところでこの感覚、本当に的を射たものなのでしょうか?
もう一度、前話と前々話に登場した、私たちが例外なくもつ「絶対で不変の価値」を思い出してください。
この「何があってもけっして消え去ったり、損なわれたりしない私たちの価値」に優劣や貴賤、大小の差などありません。この世界のすべての人が完全に同じ価値をもっているからこそ、絶対で不変なのです。
信じられないかもしれませんが、その意味では、あれだけの偉業を成し遂げた大坂なおみ選手とあなたの価値はまったく同じです。
言い換えるならば、イチロー選手や大谷翔平選手、羽生結弦選手、そしてマイケル・ジャクソンのようなスーパースターと同質のことができる可能性を、私たちすべてが手にしているということです。
「え? じゃあ、誰もが全豪オープンで優勝できるってこと? まさか、そんなことあり得るはずがない!」
もちろん、そういう話ではありません。
私たちは「絶対で不変の価値」という共通点とともに、「個性」という違いをもって生まれてきました。個性はやがてその人をその人なりの「役割」へと導きます。
この役割に沿って、それぞれの人たちが「絶対で不変の価値」を、74億とおりのやり方で表現しているとイメージしてみてください。
「誰もがテニスで世界一になれるわけではないが、大坂なおみ選手がテニスで成し遂げたのと同質のことを、すべての人が自分の役割において達成できる」
これこそが、一昨日から書いてきた「絶対で不変の価値」から、私たちが学べる3つめの事実です。
大坂なおみ選手のコーチ、サーシャ・バイン氏の現役時代の最高ランキングはなんと1165位だったそうです。プレイヤーとして見れば大坂なおみ選手の足下にも及びません。
ところがいま、そのバイン氏は、技術面でも精神面でも大坂なおみ選手の大きな支えとなっています。つまり彼は、プレイヤーではなくコーチという役割において、世界チャンピオンと同質のことを達成していると言えないでしょうか。
もしかしたら、スーパースターとは、このことを多くの人に証明する役割を担って活躍する人を表す呼び名なのかもしれません。
ただ憧れのまなざしでその様子を眺めるのではなく、「気づかせてくれてありがとう!」と感謝しながら、同じ価値をもつあなたの可能性に目を向けてください。
Photo by Satoshi Otsuka.
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