「好きなこと」を仕事にできない本当の理由

拙著「グッドバイブス ご機嫌な仕事」の中で、自分の個性から導き出された役割、すなわち「しあわせな役割」を見つける方法を書きました。

その最初のステップとして挙げたのがこれです。

「自分が得意なこと、好きなことを仕事にしていいと自分自身に許す」

「好きなことを仕事にする」と聞くと、なぜか私たちは、「世の中そんなに甘くない」「それで食べていけるはずがない」などの否定的な反応をしがちです。

けれども、「好きこそものの上手なれ」の言葉どおり、好きなことに打ち込むパワーに勝るものはありません。つまらないと思う仕事と、大好きな仕事とでは、アウトプットに大きな差が出ることは明らかです。

だとしたら、自分として最高の結果が出せる仕事を選ばない理由など、本当はないはずなのです。

では、それを仕事にすることを前提に、「本当に好きなことは何?」「本当にやりたいことは何?」と聞かれたとして、あなたは「これです!」と即答できるでしょうか。

もし、「いますぐには挙げられない」と感じたとしたら、次の2つのことがその理由になっていないかを確認してみてください。

① それでお金を稼げるイメージがもてない
② その分野には自分よりもすごい人がすでに大勢いる

たしかに、もっともな理由に見えますが、実はどちらもその正しさを完璧に証明できるものではありません。なぜならば、すべてはあなたの予想や想像にすぎないからです。

先の質問、仕事にすることを前提に、「本当に好きなことは何?」「本当にやりたいことは何?」と聞かれて答えに困るのは、「自分の好きなこと」を見つけられていないからではありません。

そうではなく、先の2つの理由によって、「好きなこと」の多くを「それは仕事にならない」と最初から封印しているからです。

頭で想像する世界と、実際に動いてみて目撃する景色はまったくの別物です。お金を稼ぐ手段を別に確保しながらのチャレンジでもまったく問題ありません。

一度でいいので、「好きなこと」を仕事にする上での障壁とみなした2つの理由が、はたして真実なのか、それともただの妄想だったのかを、あなた自身の行動によって明らかにしてみてください。

Photo by Satoshi Otsuka.