「いい感じ」とは「恐れや不安」のない状態

「グッドバイブス」とは「いい感じの思いを乗せた波」です。「いい感じ」でいることによって、さまざまなメリットを得られるようになります。

まず、あなたが真の実力を発揮できるモードになれること。次に、周囲の人たちにいい影響を与えられること。そして、その「いい感じ」を「グッドバイブス」として自分の仕事に宿らせ、受け手に伝播できることなどです。

では、「いい感じ」とはどのような状態なのでしょうか。

もしかしたら、ものすごく高いモチベーションや、何ごとにもポジティブに向き合う姿勢をイメージするかもしれません。けれども、そのようなメラメラと燃える熱い心は、恋愛にたとえるなら「つき合い始めて1か月の気持ち」のようなものです。

あなたも十分に経験しているとおり、そのような気持ちが永遠に持続するはずはありません。

「いい感じ」は、私たちが仕事をするうえで「いつもそこにいることを目指す場所」でもあります。その意味で、高いモチベーションもポジティブも、「いつもいる場所」とするにはあまりに不安定です。

私にとっての「いい感じ」とはいたってフラットな心を指します。上方向に上がっていなくてもかまいません。ただし何があっても、あなたが「これは自分のフラットな状態」と思う位置よりも、けっして下方向には落ちないことが重要です。

より具体的に表すなら、私たちの心を下方向に落とす要因である「恐れや不安」のない心、すなわち「平安な心」ということになります。

「恐れや不安をもたないなんてありえない! そんなの夢物語だ!」と思うかもしれません。けれども、その正体さえわかってしまえば、私たちのエネルギーを奪い、弱体化させる「恐れや不安」を手放すことは、それほど難しくはありません。

なぜならば、私たちはそれをもつことを本当は望んでいないからです。

「恐れや不安」の正体は、私たちが頭の中で作り出す空想や妄想です。それは、すでに終わってしまった過去のデータに基づいて、本来は予測できるはずのない未来を想像することで生まれます。

あるいは、遭遇する出来事や他人の言動に、自ら負の意味をつけることによっても「恐れや不安」は沸き上がってきます。

完璧である必要はありません。けれども、あなたの心がざわついて、フラットよりも下降してしまいそうなときは、「いま自分はどんな恐れや不安を抱いているのか?」を確認し、「それは本当にいつか現実になることなのか?」「その予想以外のことが起こる可能性はないのか?」を疑ってみてください。

「恐れや不安」を抱くことには何のメリットもありません。そんなものを心に留めずとも、あなたは目の前の事柄に最善の対処ができます。ぜひ、「いい感じ」をもち続けると決意して、平安な心を保つようにしてみてください。

Photo by Satoshi Otsuka.