過去のデータはできないことを増やしていく

あなたが苦手だ、絶対に自分にはできない、したくないと思っていることを挙げてください。いくつか思いついたら「なぜそう思うのか?」についても考えてみてください。

答えのほとんどが「過去の苦い経験」に関係していないでしょうか。

過去にうまくいかなかったこと、怖い目にあったこと、誰かにわるい評価を受けたことなどが「苦手だ」「できない」「やりたくない」と感じる理由になっているはずです。

これが「過去の情報に基づく判断」です。

このとき私たちは「過去の自分」を見ながら、「あのときできなかったのだから当然、いまもできないはずだ」と思い込んでいます。

一見、あたりまえのことのように思えますが、よく考えてみるとこれはかなりヤバい真実であることがわかります。

なぜならば、歳を重ね、数多くのことを経験すればするほど、「できない」「やりたくない」と感じることが増え続けることになるからです。

たしかに、経験は私たちにとってかけがいのない財産です。けれども、この世界には「まったく同じことは二度と起こらない」という、過去に何かの失敗をした人にとってはものすごくありがたい仕掛けが施されています。

過去の情報を絶対と信じるのか、それとは違う未知のシナリオを信じて「いまここ」にダイブするのか。あなたの前にはつねに2つの選択肢があるということです。

幸運なことに、たとえ再びうまくいかなくても、生きている限り何度でもやり直せる「いまここ」はいつでも私たちの前にあり続けます。

Photo by Satoshi Otsuka.