新年は「過去の幻影」を切り離して始めよう

新年あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!

2020年の本ブログの正式な始動は1月6日からを予定していますが、元旦に短めの記事をひとつ書いておこうと思います。

まずはこの質問に答えてみてください。

「新しい年を迎えるにあたって、いまの自分に足りないものがあると思うか?」

もし答えが「YES!」なら、次のことを疑ってみてください。

「あなたは、過去の自分や、過去の出来事にリベンジしようとしていないか?」

大晦日には毎年、格闘技の大きなイベントが開催されます。昨年の暮れに負けた選手は一様に、「あれからずっと辛い日々が続いている。なんとしても今日はリベンジを果たしたい!」と言います。

直近で、何らかの理由で恋人と別れた人は、「いつかアイツより素敵な相手と出会って見返してやる!」と考えているかもしれません。

昨年に、商売や事業が思いどおりに運ばなかった人なら、「昨年の穴を埋めてあまりある年にしたい!」を今年の目標にするでしょう。

年末に「2019年はどうもサボりがちだった。これではいかん!」と反省しながら、「あの自分から変わらなくてはならない!」と決意している人もいるはずです。

この、「過去の失敗をバネにして今年を飛躍の年にしよう」という発想が、あなたを大いに奮起させるのであれば、それもわるくない選択だと思います。

けれども、次の事実についても忘れないでほしいのです。

「その過去は、いまここにはもう存在しない!」

ここでいう「過去」は昨年のことだけではありません。

人生を振り返ってみて、「あのときもう少しがんばっていれば」と後悔していること、人生の勝負どころで誰かに負けた悔しさ、いまでも罪悪感をもっているさまざまな失敗など、あなたが、

「なんとか取り返したい、塗り替えたい、巻き返したい!」

と思っているすべてです。

人によっては、「ちゃんとしなさい!」「なるべく安全な道を行きなさい!」と親に言われ続けたことで、思いどおりに動けなくなっていることへの憤りなども含まれるでしょう。

もし、あなたが、それらの過去に対して一矢報いたいと思っているとしたら、残念ながらその夢が叶うことはありません。なぜならば、

「もう存在しない過去にリベンジすることはできない」

からです。

私たちとは本当に不思議な生き物です。たとえ、自分が最高に満足する何かを成し遂げたときでも、

「ああ、どうしてもっと早くこれができなかったんだろう!」

などと悔やんでしまうこともあるのです。

この、変えたくてたまらない過去の幻影があるかぎり、自分への「不足感」や「不信感」が消え去ることはありません。

「朝」という言葉を分解すると、「十」「日」「十」「月」となります。これを並べ替えると「十月十日」(とつきとうか)という、私たちがこの世に誕生するのに必要な日数が現れます。

「あなたは毎朝、新たに生まれ変わっている!」

目を覚ますたびに「朝」をこのように捉えることで、私たちは「過去」というイリュージョンから抜け出すことができます。

ぜひ、一年の計に「過去へのリベンジ」を盛り込むのをやめてみてください。その代わりに、これまでのいきさつなどいっさい振り返らずに、まっさらで、その気になれば何でもできる自分として、新年のスタートを切るというのはどうでしょう。

それは、

「いまここ」

というリアルな時間にいさえすれば可能です。

いまあなたの身体を取り巻いている「過去」と「未来」という帯状の時間を、自分からスパッと切り離してみてください。けっして難しいことではありません。それらはすべてイリュージョンだからです。

そうして、2020年の入り口という「いまここ」に、準備万端で、無限の可能性をもつ「本来のあなた」として、毅然と立つのです。

それさえできれば、同じ「新たに生まれ変われる朝」が、今日だけでなく、生きているかぎり毎日、毎日、あなたのもとに訪れてくれるようになります。

Photo by Satoshi Otsuka.