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意識と思考の関係がわかればアイデアが閃く

拙著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』で書いたように、「創造」こそが私たちに与えられた至高の能力だと私は考えます。動けばかならずそこに何かが創られる。私たちは創造するために生まれた存在と言ってもいいでしょう。

バックナンバー「身体は意識の創造を外の世界に表現する道具」では、そんな私たちがどのようなプロセスで創造を行っているかを書きました。

具体的には、まず「意識」が何かを閃いたり、「これを創りたい!」というイメージをもったりします。ただ、それだけでは他の人には伝わらないので、「身体」を使って閃きやイメージを見たり聞いたり触ったりできる状態に仕上げます。

「意識」とは、拙著で言うところの「創造のエネルギー」で、まさに私たちの創造の源泉でもあります。これに対して「身体」は、「意識」が思い描いたものを形あるものにする「道具」のような役割を果たしているわけです。

私たちが行う創造をこのように捉えると、いろいろとおもしろいことがわかってきます。そのひとつが「どうすればいいアイデアが閃くか?」です。今日はこのあたりについて書いてみたいと思います。

最初に確認しておきたいのは、思考を司る「脳」は「身体」の一部だという点です。専門家ではないので断言することは避けますが、私の感覚では、アイデアが生まれる場所はやはり「意識」であり、脳ではありません。

私たちの創造のプロセスにおいて脳は、「意識」が閃いたことに対して、「どうすればそれが実現するか?」「どんなアクションが必要か?」「どのくらいの予算がかかるか?」などを綿密に計算してくれる、コンピュータのような役割を担っているように思います。

それはまさに私たちが使うパソコンやスマホと同じで、どれだけ高性能であっても、それ単独では何かを創造することはできません。使い手である私たちが自分のイメージしたものを入力して初めて、コンピュータは文章や絵や音楽を生成してくれます。

この意味で、脳は「身体」の一部であり、創造においてはまさにコンピュータと同じ「道具」の役割を担っているのす。

さて、いいアイデアを閃くためにもっとも重要なのは、「意識」と、脳の働きである「思考」の不思議な関係を理解することです。以下、バックナンバー「身体は意識の創造を外の世界に表現する道具」からの引用です。

車にたとえるなら、「意識」が運転手で「身体」は自動車です。「自我」をもって「バラバラ意識」に誘われた私たちは、この本来の仕組みをいたっておかしなものに変えようとします。まず、過去や未来を思い悩み、考え続けることで、本体である「意識」を自分の奥深くに眠らせます。次に、運転手を失った身体に、「邪魔者はいなくなった。これからはオマエが本体として意志をもって行動しなさい!」と命じます。

こうして私たちは、

「運転手を追い出し、自動車が意志をもった状態」

に陥ります。

これを「意識」と「思考」の関係に置き換えると、

「本来はアイデアを閃く機能をもたない思考が、創造の主役である意識を追い出して、自ら何かを発案しようとする状態」

となります。

この文言からあなたも一度は経験しているはずの、私たちがよくハマるあるモードを想像できないでしょうか。そう、

「アイデアが浮かばないと悩んでいる状態」

です。

そもそも、創造のプロセスでマネージャーのような役割の「思考」が、なぜか主役の座にしゃしゃり出て、アイデアを「考え出そう」とする。これこそが、私たちにとってもっとも閃きから遠ざかっているモードなのです。

この、「道具である脳を使って考え始めると、アイデアを生み出す意識が使えなくる」という仕組みから、「どうすればいいアイデアが閃くか?」のひとつめの答えが導き出されます。

① アイデアを閃きたいなら、脳を使って考えてはいけない。

あのスティーブ・ジョブズは禅センターに足しげく通よっていたと言われています。禅もまさに「思考」を手放す修行です。おそらく、彼もこのことを熟知していたのではないかと私は予想します。

「思考」に関してはもうひとつ、私たちには考えようとしていなくても、自分で考えることを止められなくなる状態があります。それが、拙著やこのブログで繰り返し書いてきた「意味づけ」や「過去や未来についての妄想」です。

そして、それらを引き起こすのはいつでも「恐れや不安」と決まっています。「意識」をじゃまするコイツを手放すのが2つめの答えです。

② アイデアを閃きたいなら、そのあいだだけでも「恐れや不安」を手放す。

焦りや急ぐ気持ちは完全に封印してください。イライラやドキドキなど「恐れや不安」から抱く感情もいっさいNGです。

①と②が実行できたとき、私たちの「思考」はすっかりおとなしくなり、まるで頭の中にスペースができたような感じがします。ここで、「意識」が「身体」の中ではなく、外にあるとイメージしてください。

私は頭の30センチほど上に自分の「意識」浮かんでいることにしています。「意識」は自分なのですが、まるで自分とは別の存在であるかのように「アイデアがほしい!」と呼びかけます。

③ 「身体」の外にイメージした「意識」に向かって、「いま私は○○という課題を抱えています。そんな私がどのようなアイデアを閃くべきかを教えてください!」とたずねる。

ここで注意すべきは、「答えを限定した質問をしない」ということです。

たとえば、「ある問題を解決するためにはお金が必要です。どうすればお金が稼げるか教えてください!」という質問には、すでに「解決にはお金が必要」という答えが含まれています。

「私に意地悪をするAさんに仕返しするにはどうすればいいか?」「多くの人に読まれるブログを書くにはどんな内容にすればいいか?」もまったく同じです。ここで「答えを限定」しているのは、①で止めたはずの「思考」であることに注目してください。

あくまでアイデアの主役は「意識」です。まるで事務方が「いろいろと事情があるので、この範囲で考えてください」と提示したような課題には、誇り高き「意識」は答えてはくれないのです(笑)。

「この問題に対して私は何をすればいいか?」「Aさんとの関係には何が必要か?」「私はどんなブロガーになればいいのか?」と、「意識」を信頼して、ある意味バカになりきって、全面的な質問を投げかけるのがコツです。

最後に、いつまで待っても③の答えが返ってこないときは、アイデアを発想するのを中止します。何分、何時間などの決まりはありません。あなたの直感に従って「もうダメかな?」と感じたら止めるようにします。

無理やり続けようとすると、かならず「思考」が動き出します。その前に、さっさと就寝してください。

ただし、次の日の朝は要注意です。とくに目覚めて1時間くらいのあいだは、前日にたずねた答えが「意識」に降りてこないかを、しっかりと見張っていてください。

④ しばらく待っても「意識」からの答えが返ってこないときは一度、寝てみる。翌朝、目覚めて1時間ほどのあいだは、アイデアが閃くかを注意深く見張る。

以上が「いいアイデアの閃かせ方」です。

ちなみに、私はこのブログを書く際に、毎日①から③までの手順を踏んでいます。書いている最中に筆が止まったときも、焦らずにこれを繰り返します。もちろん、書籍などの大作の場合は、いつも④に助けられています。

最大のポイントは「思考」を黙らせてスペースを創ることに尽きます。「Space」とは「宇宙」でもあります。頭の中に「宇宙」ができると、そこにアイデアが降ってくる。深いですね(笑)。

Photo by Satoshi Otsuka.

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