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情報は取りに行くものではなく受け取るもの

今日は私たちと「情報」の関係について考えてみたいと思います。

新しいことを始めようとするときや、困難に思えることをやろうとするとき、なぜかはわかりませんが、私たちは「まず情報を集めなければいけない」と考えます。

真面目な人であれば、ウェブ検索はもちろん、書籍を買い漁ったり、セミナーや勉強会に出たり、経験者と食事をして話を聞いたりと、手を抜くことなく情報収集に励むことでしょう。

ところが、どれだけやっても「まだ足りないんじゃないか?」という疑念が消えずに、いつまで経ってもインプットすることをやめられないという経験をしたことがないでしょうか。

あるいは、いままさにそういう状態で、なかなか肝心の行動が起こせないという人も少なくないでしょう。

なぜ、私たちは情報収集を始めると「まだ足りない」という思いから抜け出せなくなって動きが止まってしまうのでしょうか。

私はそこに2つの理由があると考えます。ひとつは、

「いまの自分の知識やスキルでは、とても何かを実行することなどできない」

という「恐れや不安」をきっかけに情報を得ようとするからです。

もちろん、そのような不安自体が幻想です。たしかに、頭で描く理想どおりのことはまだできないかもしれませんが、そのための最初の一歩を踏み出すことすら不可能なはずはありません。

けれども、「自分にはまだできない」という思い込みがそれを強く否定します。結果として、動き出せないことで最初に抱いた「恐れや不安」が消えることはなく、情報収集や勉強も延々と続くことになるのです。

ふたつめは、

「多くの情報を集めればあつめるほど、有利にことを運べるはず」

という私たちがしがちな予測にあります。

「軽率に動くことで損はしたくない」という損得勘定によるものですが、このような読みもまた幻想に過ぎません。

たとえば、新居を探すために不動産屋に行ったとします。幸運にも、最初に案内された物件が、あなたの理想に限りなく近いものだったとしたらどうでしょう。あなたはそこで即決するでしょうか。

おそらく、多くの人の答えは「NO!」であるはずです。なぜならば、「もっといい物件が他にあるかもしれない。それを見ないで決めたら後悔する」という思いを拭い去れないからです。

そうしていくつもの候補を見ていくうちに、あなたの中には、最初はそれほど重要と思わなかった選択基準が次々と生まれるようになります。

「駅に近い」「コンビニが近い」「陽当たりがいい」「道路から離れている」「床暖房がある」「ひと部屋多い」「ベランダが広い」などなど。

そのころには、最初の物件で感じたときめきよりも、あとづけで出てきた「得する理由」のほうが優先されるようになっています。

そして最後には、

「総合的に判断してここに決める!」

といった、自分の感覚や感性よりも頭ではじき出した理屈を優先する、いたって残念な選択をしてしまうわけです。

これら2つの理由から見えてくるのは、

「何らかの不安や、損得勘定などの欲に基づく情報収集に終わりはなく、それによって選択を大きく誤る可能性もある」

という事実です。

もし、自分がそのような状態に陥っていると気づいたら、あなたと情報との関わりを次のように変えてみてください。

「アウトプットさえ始めてしまえば、本当に必要な情報は、能動的に集めに行かなくても、あちからやって来てくれる」

実際に動き出せばかならず何かが確定し始めます。それだけで自然と「恐れや不安」は薄まっていきます。

行動した結果「これが足りない」と気づいたスキルや情報はまさにリアルです。そこに損得勘定など入り込み余地などありません。

当然、書店に行けば本当に足りないものを補ってくれる本だけに目が行くでしょう。まったく関係なさそうに見える映画の中に重要なヒントを見つけることもあるでしょう。アドバイスをもらうのに最適な人物も自動的に浮かび上がってくるでしょう。

「アウトプットしている、行動しているあなたは、受信する電波の周波数が確定したアンテナのようなもの」

とイメージしてください。

このメカニズムさえわかってしまえば、あなたに必要な情報は取りに行くものではなく、受け取るものに変わるはずです。

Photo by Satoshi Otsuka.

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