他人の価値を認めればあなたの個性も見える

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「自分の個性って何?」と聞かれてあなたは即答できるでしょうか。おそらく、「何かつかみ所のない、漠然としたイメージしか浮かばない」という人のほうが多いのではないでしょうか。

自分の個性をしっかりと自覚するためには、私たちが行ってきた「自分や他人の個性との向き合い方」を変える必要があります。

まず、重要なことは、自分や他人の「でこ」や「ぼこ」に、それぞれ「長所=いい」「短所=わるい」というラベルを貼るのをやめることです。

同時に、自分に対しても他人に対しても、「私もあの人も凹があるから凸もある」と認め、全体としてその価値をしっかりと受け入れます。そのうえで、他人の「自分とは違う点」も心から尊重するようにします。

多くの場合、最初に見えるのは相手の凹かもしれません。それは個性を見極める絶好のチャンスです。凹を「欠点」と見なしてネガティブな思いを抱くのではなく、「おお、この人はここがへこんでるんだ。ということは、とんがりはどこ?」と、興味津々で凸を探れるようになれば最高です。

両方が見つかったらぜひ、一対にして眺めてみてください。そこには人間ならではの見事な「凸と凹のハーモニー」があることに気づくはずです。

それはゴムまりのような完全な球体ではありません。たとえ一芸や二芸に秀でていたとしても、万能な人などこの世にひとりもいません。そして、この事実を自分に対しても、他人に対しても認められたとき、あなたの個性は輝き始めます。

部屋に閉じこもって、ひとりだけで個性を見つけようとしても答えはなかなか出てきません。そうではなく、あなたの周りにいる人々との関係の中で、さまざまな「でこ」や「ぼこ」を心から受け入れ、楽しく眺めることで、あなたの奏でる「凸と凹のハーモニー」も、はっきりと聞こえるようになるのです。

Photo by Satoshi Otsuka.