◎ 倉園佳三のコメント
日本と米国で転校を繰り返す小学生のサツキが、いじめや差別やカルチャーショックに出会いながらも、人生の中には突然、キラキラしたものが降ってくる瞬間があることに気づいていきます。
日記ともエッセイとも、フィクションとも読める数々のエピソードは、筆者の加藤五月が9歳になる自身の息子に贈ったラブレターでもあります。
そこには、教訓めいた話も、世の中に向けた批判もいっさいありません。ただ、主人公サツキの目をとおして見た、リアルな景色が淡々と綴られるだけです。
けれども、いつか成長した彼の息子がこの本を読むとき、随所にしあわせに生きるためのヒントが隠されていることに気づくでしょう。
コロナ禍によって、以前よりも不安に暮らす時間が増えたいま、私たちの心に一筋の光と希望をもたらしてくれる素敵な本ができあがりました!
◎ 佐々木正悟のコメント
「半年後、みんなでアメリカに住むことになったよ」
父の転勤でニュージャージーに越した1983年8月。 日本では見たこともない、深くて青い空が広がっていた。
黄緑の芝生が艶やかに光り、淡いグリーンやピンクやイエローの色合いの、まるでドールハウスのような風景を描いていた。
小5の夏休みに入った日本の同級生のことを考えながら、サツキは誰もいない舗装された道の真ん中を歩く。
未知の星に心踊らせながら、目的地の公園に目をやったとき、突然、時が止まった。
空から石が落ちてきた。
アメリカで多様性、ダイバーシティという言葉を聞かない日はないそうです。
私たち日本人は「アメリカ」をよく知っているように思っています。政治的に関係が深く、映像でもよく紹介され、訪れた人も多い国だからでしょう。
でもあなたは、まるでドールハウスのように美しいアメリカに暮らしたことがあるでしょうか?
ダイバーシティなアメリカ人のともだちは何人いるでしょう? そのひとたちはアジア系ですか? ヒスパニックでしょうか? メキシカンでしょうか? ロシア移民でしょうか? もしかしたら日系人?
「イエロー!」とか「ジャップ!」といった言葉を投げつけられたことはありますか? 空から石が落ちてきたのを目にしたことはありますか?
この本に出てくる人たちの多くはアメリカに暮らしています。そして、これは本当にあった物語なのです。

2021年4月26日発売
著者:加藤五月
表紙:加藤五月
価格:580円(税込)
(Kindle Unlimitedにも対応)
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