Good Vibes Workstyle

「与える」ことであなたは何も失っていない

バックナンバー「相手の怒りを放置すれば真の平安は訪れない」を読んで、「与える」ことにチャレンジしたという女性からこんなメッセージをいただきました。

「相手の恐れと不安を取り除くんだ!」と決意するのに心を消耗しましたし、決意したのに「なんで私がこんなことをしなきゃいけないんだ」という感情がまた復活してくる。それを押さえることにも苦労しました。はじめての対人グッドバイブスチャレンジ、やってみての感想は「ものすごく大変」でした。

結果として、この女性は見事に相手の「恐れや不安」を解消し、それ以降、その人に会うことが憂鬱ではなくなったと報告してくれています。私としては「ナイストライ!」と、最大の賛辞を送りたい気分です。

ただ、このメッセージにあるように、「与える」という行為が彼女の心を消耗し、この取り組み自体を「ものすごく大変」と感じるとしたら、次に同じような場面に遭遇した際には、尻込みをしてしまうかもしれません。

そこで今日は、「与える」に伴いがちな「なんで私がこんなことをしなきゃいけないんだ」という感情にどう対処すればいいかを書いてみようと思います。

まず、ここでいう「与える」が何を意味するかを復習しておきましょう。拙著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』やこのブログで書いてきた「意味づけ」や「未来の予測」を手放し、なんとか「平安な心」を得られたとします。

けれども、私たちはひとりで生きているわけではありません。朝起きてから寝るまでのあいだに、何十人という人と行動を供にすることになります。なかにはあなたに怒りや不機嫌さをぶつけてくる人もいるでしょう。

そんなとき、拙著のメソッドを自分のために使って、自分だけ平常心を保とうとしても、本当の意味での「平安な心」は得られません。なぜならば、相手の怒りは解消されないまま放置されているからです。

そこで、

「あなたに怒りや不機嫌さなど、おかしな言動をぶつける人の原因を取り除く」

ことにトライします。

具体的には、怒りや不機嫌さの原因である、相手の中の「恐れや不安」を探して取り除くということです。これを私は「与える」と呼んでいます。

冒頭に紹介した彼女の場合、「与える」内容は「相手から依頼されていて、未着手だったことを実行する」でした。

その依頼には明確な期限はなく、いつやるかの判断は彼女に任されていました。未着手だからといって、けっして彼女に非があるわけではありません。

それでも、相手は彼女がなかなかやってくれないことにハラハラして、何度も確認のメールを送ってきます。次第に、ふたりの仲も険悪になっていきました。

そこで彼女は、「この人の恐れや不安を取り除くために、本当はいまやらなくてもいいことだけども、すぐにやってあげよう!」と意を決して実行したわけです。

もし、あなたも彼女と同じように「与える」トライをしながら、「なんで私がこんなことをしなきゃいけないんだ」と感じたとしたら、即座に、次の2つの思いを抱いていないかを確認してください。

「私はいまこの人の犠牲になっている」
「私はこれをすることで何かを奪われている」

「与える」に限らず、あなたが何かをしていて「辛い」「苦しい」「大変だ」と感じたときはいつでも、この感覚を疑うことをおすすめします。

「たしかにそう思ってる!」とわかったら、対処法は見えたも同然です。いつものように、それが紛れもない現実なのかどうかをはっきりさせればいいだけです。

「私はいま、本当に何かを奪われたり、何かの犠牲になったりしているのか?」

を自問してください。

もっとシンプルに、

「これをすることで、自分は何かを失っているか?」

を考えてもいいでしょう。

バックナンバー「自分がもっていて与えてもなくならないもの」で書いたように、お金やモノなどの「与えるとなくなるもの」を与えることはできません。

いま、相手の「恐れや不安」を解消するためにあなたが与えようとしているのは、

「与えてもなくならないもの」

であるはずです。

にも関わらず、あなたが与えながら何かを失っているとしたら、この話の根底が覆ってしまうほどの大問題です。ぜひ、細かく吟味してください。あなたはいま何を失っていますか?

「もちろん、体力や労力に決まっている!」

疲労はすると思いますが、あなたの体力やエネルギーは休息するか、一晩寝るかすればたちまち回復します。相手のために何かをするたびに、顔のしわが一本増えたり、身体に切り傷がひとつ刻まれたりはしていないはずです。

「この人のために費やした時間はどうなの? 時間は貴重でしょ?」

たしかに、相手の「恐れや不安」を解消するためには、仕事終わりにカフェで話をじっくり聞いてあげたり、何かの作業を手伝ったり、教えたり、アドバイスをしたりと、あなたはそれなりの時間を費やすことになります。

冷静に考えてみてください。それは具体的にどのくらいの時間なのでしょうか。半年か1年でしょうか。あるいはそれ以上の年月を費やすような大規模なプロジェクトでしょうか。そんなことはまずあり得ません。

多く見積もっても1日か2日、たいていは数十分から数時間の範囲に収まるはずです。それは、10年後に振り返ってみれば、記憶の欠片にも残らないほどの微々たる時間です。あなたの一生から見ると、砂粒ひとつくらいの「つかの間」ではないでしょうか。

「心」はどうでしょう。実際に彼女も「心が消耗した」と言っています。それは先の2つの思い、「犠牲になっている感」と「奪われている感」を抱いたことが原因です。どちらも現実ではないと認識すれば自然と解決します。

仕上げは、そもそもこの「与える」取り組みが誰のためのものだったかを思い出すことです。あなたの人生に繰り返し登場する人々を「平安な心」に導けば、あなた自身がいつでも穏やかでいられます。

「与える」ことの目的は献身や自己犠牲ではなく、この状態を創造することにほかなりません。

実際に彼女の相手も、「恐れや不安」がなくなった直後に、人が変わったように温かな返事を返してくれています。彼女の「与える」チャレンジが、相手を優しくて愛のある本来の姿に戻したと言えないでしょうか。

「なんで私がこんなことをしなきゃいけないんだ」

の理由もまったく同じです。ただただ「あなたの平安を得るため」です。

最後に、「与える」試みをする際には、私たちがもつある特性をしっかりと認識しておきましょう。それは、

「なぜか、手に入れたものの価値を低く見てしまう」

というものです。

とくに、日頃から「自分に不足しているものを得たい!」と望んでばかりいると、この罠に陥りやすくなります。このとき私たちがほしいのは「足りないもの」だけです。そして、「足りないもの」は手に入れた瞬間に「足りたもの」に変わってしまいます。

つまりゲットしたとたん、その価値は、自分にとって最低のところまで下落してしまうということです。その結果、「大変だったわりには得るものは少なかったなぁ」と落胆することになるのです。

今回の女性のレポートにもキラキラと光り輝く、宝物のような報酬がしっかりと書かれています。

「相手の恐れや不安を解消し、その人に会うことが憂鬱ではなくなった」

険悪な状態で、スマホに届くメールを見るたびに心を揺らされ、相手を嫌いになりながら、なぜか自分も罪悪感を抱いてしまう。

何をおいても、そんな日々が大きく姿を変えてくれたことに感謝してください。その世界をあなたが自分自身の手で創造したという実績に胸を張り、次のトライのための確固たる自信にしてください。

それさえできれば、これからあなたが「与える」たびに、大変さは激減していくはずです。

Photo by Satoshi Otsuka.


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