怒りや不機嫌さを表す相手の中に平安を探す

拙著『グッドバイブス ご機嫌な仕事』やこのブログを読んで、「いい感じ」でいられるようになったという方から、よくこんな質問をいただきます。

「まわりの人たちが不機嫌なとき、自分はどうすればいいのか?」

自分だけでなく、すべての人が「いい感じ」であってほしいと願うのは当然のことです。

そこで、今日はこの対処方法について考えてみたいと思います。

まず、あなたがいまの「いい感じ」を得るために、どんな努力をしてきたかを思い出すところから始めましょう。

「出来事や他人の言動に自分の妄想から生まれる意味をつけない」
「変えられない過去や、正確に予測できない未来について思い悩まない」
「自分を攻撃して弱くする罪悪感を抱かない」

など、拙著やこのブログに書いてきたことを着実に実践されたはずです。

注目すべきは、これらすべての目的が、

「何らかの恐れや不安を手放す」

ことにあったという点です。

あらゆる望ましくない感情は、例外なくこの「恐れや不安」から生まれます。そして、私たちはそのような状態から自分を守るために、怒りや不機嫌さを相手にぶつけることを選択しているのです。

どんなときでも、この単純なプロセスをしっかりと認識しておくようにします。

① なんらかのきっかけで自分の中に恐れや不安が生まれる
② そんな状況から自分を守らなければならないと感じる
③ 自分を防御する手段として、怒りや不機嫌さを使おうとする

ここであなたが対処すべきは、③の目に見える結果ではなく、相手の中に隠されている①の原因のほうだということがわかるはずです。

つまり、あなたに怒りや不機嫌さをぶつける人がいたら、心を落ち着けてこう自問すればいいのです。

「この人は、私の何に対して恐れや不安を抱いているのだろう?」

あるいはもっと踏み込んで、次のように考えることもできます。

「この人が平安な心を取り戻すためには、何を取り除けばいいのだろう?」

その場のやり取りの中で答えが見つからなかったとしてもまったく問題ありません。ただ相手のために、あなたがそれを見つけようとするだけで十分です。

同時に、

「自分もひとつ間違えば、この人と同じプロセスをたどりかねない」

ことを謙虚に認めて、

「相手の中にもかならず、いい感じでいることを望むもうひとりの自分がいる」

ことを信じてください。

すべての人の中に、「恐れや不安」に飲み込まれた「闇の自分」と、それを手放せたときに現れる「光の自分」の2人がいるということです。

もし、あなたがすでに「いい感じ」でいるならば、あなたは「光の自分」がどんなものかを知り尽くしているはずです。

その体験と知識を頼りに、

「怒りや不機嫌さをぶつける相手の中に光を見る」

ことにトライしてみてください。

すべては、あなたが「いい感じ」でいるからこそできることです。これによって、あなたが何かの犠牲になったり、何かを失ったりすることはありません。

その代わりに、あなたが「いい感じ」でいることのもうひとつの、そして最大のメリットに気づけるはずです。

※先の「このブログに書いてきたことを着実に実践されたはずです」については、こちらのバックナンバーをご一読ください!

心の動きから「意味づけ」を探る実験をする
意味づけを手放せばありのままが見えてくる
一年の初日を「いまここ」から始めてみよう
予想できない未来から悩みや不安が生まれる
罪悪感をもつと間違いを修正する強さを失う
自分の過ちも他人の過ちも罪に変えずにおく

今回の写真はいつもの大塚 聡さんではなく、地元の写真コンクールで入賞した私の父、倉園博志の作品です。

Photo by Hiroshi Kurazono.