未来の不安や過去の苦い経験から解放されて「いまここ」に戻るためのもっとも簡単な方法は、目の前の仕事をゆっくりとやることです。
あまり忙しくなく、余裕があるときにトライするのがおすすめです。時間をいっさい気にせずに、これ以上は無理というくらいまでスピードダウンさせてひとつずつ仕事をかたづけていきます。
この「スローチャレンジ」によって3つのメリットが実感できるはずです。
ひとつは「ゆっくりやっても費やす時間はふだんとあまり変わらない」という事実に気づけることです。
急いだり焦ったりして前のめりになっているとき、私たちのエネルギーは未来に放出されています。ペースを落とすことによってそのエネルギーが「いまここ」に帰ってきます。
この状態こそ、私たちにとって最速かつもっとも正確な仕事ができる状態です。集中力は高まり、ケアレスミスもなくなっていきます。仕事の種類によっては、ゆっくりやるほうがむしろ早く終わることもあるくらいです。
2つめは「仕上がりが美しくなる」ことです。子供のころにやった塗り絵を思い出してください。ゆっくりていねいにやればやるほど、部屋に飾っておきたくなるほどキレイな仕上がりになったはずです。
そして最後のメリットが、自分がアウトプットした「仕上がりの美しい仕事」を見て、自分自身が気持ちよくなれることです。
「いいのができたじゃない!」
「私って天才?」
「誰かに見せたいくらいだよ!」
あなたは間違いなくこの瞬間にグッドバイブスを抱いています。そのまま目の前の仕事に戻る様子を想像してみてください。
「次はもっといいものを創りたい!」
塗り絵を誉められた子供のように、次の自分のアウトプットが楽しみで仕方ないと感じているはずです。
この「いまここ」から起こる「自分から自分へのフィードバック」によって、あなたはいい仕事をせずにはいられないご機嫌なサイクルに導かれていくのです。
Photo by Satoshi Otsuka.
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